Project Story

地域唯一のコンビニを残せ!

2018年11月

サークルK・サンクス664店舗閉店へ・・・

2017年10月11日にユニーファミリマートホールディングスがサークルK・サンクスの店舗を閉店すると発表しました。

特にコンビニ事業に関心があったわけではありませんでしたが、地元のコンビニがサークルKのままだったので、興味本位でファミリーマートのHPを覗いたのがきっかけです。

ファミリーマートのHPにはオーナー募集の文言があり、弊社もいろいろなフランチャイズに加盟しているため、これまた興味本位で関連ページを覗いてみました。

そこには、すぐ近くのサークルK、御嵩井尻店、八百津南店、八百津牧野店がオーナー不在店として、オーナーを募集していました。

私は、不思議に思ったことは解決せずにはいられない性格で、特にコンビニのオーナーになるつもりもないのに、気付いたときには問い合わせをしていました。
そのとき興味本位で地元のコンビニが残るかどうかではなく、残さなければいけないという感情が沸き上がってきました。

とはいえ、さすがに企業経営者として郷土愛だけで不採算店を引き受けるわけにはいきません。以前、店舗としては利益が出ているもののオーナーが高齢化しているため契約を更新しない店舗があると聞いていたので、そういう店舗とセットなら引き受けるかも・・・という軽い返答をしました。

御嵩井尻店が閉店へ

最初の問い合わせから何日か経ち、日々の事業の取り組みで、興味も薄れてきたある日、エリア担当の方から「御嵩井尻店が閉店します」という連絡が入りました。

その時点では、八百津南店、八百津牧野店ともにすぐに閉店ではないものの、おおよそ8月末までに新規オーナーが誕生しなければ閉店の可能性が高いとの回答がありました。

また、黒字店とのセットは、コンビニ運営未経験者では難しいとのことで、採算が取れている八百津牧野店を打診されました。

しかし、私にとっての優先順位は生まれ故郷でもある伊岐津志地区にある八百津南店の存続。僅かな躊躇はありましたが、八百津南店を引き受けたい旨を申し出ました。

もっとも、ファミリーマートも始めから不採算店と分かっている店舗を渡せないということで、本部側で保留となりました。

家賃交渉、店長獲得、想論館復活・・・・。

本部も店舗存続のために地主との交渉に積極的に関与してくれました。その結果、なんとか店舗が存続していける程度に地代家賃を引き下げてくれることに合意。閉店対象の店舗が存続対象の店舗となりました。

とはいえ、課題が残ります。基本、コンビニは夫婦で運営することを前提とした加盟条件になっています。法人で加盟する場合には、この縛りはないものの店舗責任者を専任しなければいけないという条件がありました。

コンビニの店長探しが始まりましたが、これが難航しました。最初はコンビニのベテランのパートさんに打診しましたが、責任が取れないということで固辞。

他にもいろいろと当たりましたが、不採算店なので将来の見通しが不透明なのと、そもそも、ウチがコンビニなど小売業をやっている会社ではないので、もし、コンビニ事業から撤退となったら雇用継続も安心できないというもっともな理由で採用ができませんでした。

家賃交渉により不採算よりはちょっとマシという状態ですから高給を謳い文句にすることもできません。半ば諦めかけたときに、またまた、本部の方が頑張ってくれました。

前述のように個人加盟の場合、2人体制でなければオーナーになることができません。では、加盟後に事情により1人になってしまった場合はどうなるのかと言うと、なんと「更新されない」という厳しい規定があるそうです。

そして、たまたま、近くに更新されずに無職になってしまうオーナーがいて、コンビニでの就業を希望しているからとご紹介していただけることになりました。

2018年5月に店長が決定しました。
家賃交渉、店長獲得と店舗運営の目途が立った次に立ちはだかったのが酒販免許。そのとき知ったのが酒販免許は赤字法人では取得できないということでした。

当時、ウチは2017年の4月に河合塾マナビス多治見校、7月にりんごの花今渡店、10月にりんごの花多治見店をオープンしており、開業費の関係から10月末に決算を迎えるウチの直近の決算は赤字状態でした。

コンビニにとって酒類の販売は収入の面でも集客の面でも大切なものであり、酒販免許が取得できない=新規開業は認められないというものでした。

ここで登場したのが「有限会社想論館」でした。想論館は2016年の再起業で終焉した学習塾ですが、やはり、創業の想いは格別だったので、再起業に関しては株式会社FiveBoxesという新しい会社を作り、有限会社想論館は休眠会社として手元に残していました。

休眠会社ですから赤字企業ではありません。ということで、急転直下、有限会社想論館としてコンビニに加盟することになりました。